エネルギー消費量が減少し始めるときに栄養管理変更を!

私たちの身体は、栄養が足りなくて「飢餓」状態に陥ると、セーブモードに切り替わります。エネルギー消費を抑えて、体力を温存しようとするのです。

ところがガンがあると、ガンがエネルギーを大量に消費しますし、ガンと闘うエネルギーも必要です。そのため、栄養が足りない飢餓状態であっても、エネルギー消費量はセーブモードレベルにはならず、健常者の普通のレベルと同じぐらいのエネルギーを消費してしまいます。栄養を補給しなければ、あっという間に飢餓状態がひどくなり、栄養障害が進んでしまうのです。

この状態に感染症が加わると、消費エネルギーは更に増加し、栄養障害はもっとひどくなります。

栄養を補給して飢餓状態が解消されると、再び元気になります。一方で、ガンがある人のエネルギー消費量は健常者よりも多くなります。ガンが消費するエネルギーの増大が顕著になるからです。飢餓状態が継続したり、適切かつ充分なエネルギー投与が行われずにいますと、高度な栄養障害に陥り、免疫力が低下して、感染症を併発しやすくなります。

感染症をきたすと更にエネルギー消費が激しくなり、もっと栄養障害が増長され、ついには死に至ってしまいます。ところが、感染症がなければ不必要なエネルギーの喪失がなく、ギリギリまで栄養状態が保たれますが、ある時点になるとエネルギー消費量が徐々に落ちていきます。

ガンの最終段階では、細胞が栄養や水分を受け入れられなくなるためです。この状態になると、栄養や水分を投与しても細胞で使うことができず、そのまま腹水や胸水、全身のむくみとなってしまいます。栄養を入れると過剰な負荷をかけることとなり、患者はかえって苦しくなります。

エネルギー消費量が減少し始めるそのときが、栄養管理のギアチェンジ、すなわちエネルギーや水分の投与を一般の3~2分の1に減ずる時期であり、これ以降が本来の「悪液質」、不可逆的状態である、ガンにおける最終段階です。

もちろん個人差がありますから、いつギアチェンジをするかは、慎重に見極める必要があります。主治医を含めて専門スタッフ3人以上が「栄養補給しても状態が改善しない」と判断した場合、あるいは治療しても胸水や腹水、全身の浮腫が改善しない場合に、ギアチェンジをすることにしている病院があります。

身体が受け付けなくなったとき、過剰な栄養や水分を入れず、生命維持に必要な ごく少量の栄養と水分だけを入れることによって、患者は身体が楽になります。

驚くことに、ギアチェンジしたことで楽になり、もう一度、口からご飯を食べられるようになったり、自宅に帰れたりする人もいます。そして、ほとんどの人がむくみや怠(だる)さに苦しむことなく、安らかに最期を迎えることができます。

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