ギムネマについて

ギムネマとは?

ギムネマとはガガイモ科ホウライアオカズラ属のツル状の多年草[茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年に渡って生存する草のこと]であり、学名はギムネマ・シルベスタ[Gymnema sylvestre]です。ヒンズー語では「グルマール(甘みを壊すもの)」という意味を持ちます。別名を「ホウライアオカズラ、カウプラント、グルマリ、グルマル」といいます。

ギムネマは、原産地であるインドの中南部のほか、タイやインドネシア、中国南部、アフリカの亜熱帯地域の標高1000mくらいまでの丘陵地や、山岳地の水はけの良い土壌にも自生しています。

ギムネマの葉は、卵型や楕円形の形をしており、長さ3~8cm、幅1.5~4cmほどの大きさがあります。

雨期が始まる頃に芽を出し、成長するとツル状となってほかの木に絡み付くようになります。このツルの長さは3~4mにも達するといわれています。

ギムネマの葉を噛むと約2時間 甘みを感じなくなることは古くから知られており、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダ[インドで古くから語り継がれている東洋医学のひとつ]では、2000年に渡り糖尿病の治療薬、胃の薬、利尿・強壮の薬として用いられてきました。

19世紀の半ばには、インドに駐在していたイギリス人将校が、ギムネマの甘味を消す不思議な作用について本国に報告したことをきっかけに、ギムネマが研究者たちの注目を集めることとなりました。

その後、イギリスの化学者であるフーパーが、ギムネマの葉から甘味を抑える物質の抽出に成功し、その物質を「ギムネマ酸」と名付けました。

ギムネマの葉を噛むことで、一時的に砂糖などの甘味を感じにくくなる作用は、ギムネマに含まれる有効成分である、ギムネマ酸によるものだと考えられています。

ギムネマ酸には、グルクロン酸[体内に入った有害物質を尿中に排出する解毒作用を持つ成分。ヒアルロン酸などのムコ多糖類を構成する成分でもある]というブドウ糖によく似た構造の物質が含まれるため、舌の味蕾(みらい)[味を感じるための器官であり、花の蕾(つぼみ)のような形をしている。主に舌の上面に存在しており、人間の場合は約1万個あるといわれ、甘味・酸味・苦味・塩味をそれぞれ別の味蕾が受容している]にある甘味を感じる部分に結合して、その感覚を麻痺させるという仕組みがあります。

また、ギムネマ酸は甘味に対してのみ作用し、苦味や酸味、塩味には影響しないという特徴があります。さらに、ギムネマは小腸での糖の吸収を抑える働きもあります。このような特性から、ギムネマは肥満を予防するための食品素材として用いられています。

ご飯などの炭水化物を摂って、その糖分が体に吸収されるためには、ブドウ糖に形を変える必要があります。唾液中の消化酵素アミラーゼは、まず炭水化物を麦芽糖に換え、次に消化酵素αグルコシターゼによって麦芽糖はブドウ糖に変わります。

ギムネマ酸はこのαグルコシターゼの働きを阻害して、麦芽糖がブドウ糖に変化しないように作用します。ブドウ糖になると体内への吸収が高まりますが、ブドウ糖に変化しないため糖分の吸収が減少するのです。そのためギムネマ酸を摂ることで肥満の予防にもなります。

吸収された糖分は、筋肉や細胞に取り込まれて使われると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンの分泌量が少ないと糖分が使われないので、血糖値が上がります。ギムネマ酸によって血糖値が下がることで、糖尿病にかかるリスクも軽減されます。

さらに小腸で吸収されなかったブドウ糖は大腸の乳酸菌のエサになり、腸内を健康に保つはたらきを持ちます。また、糖分の吸収が減ると虫歯菌の活動が低下しますし、血中のコレステロールの減少、ダイエット効果も期待できるという研究報告もあります。

主なギムネマの利用法としては、ギムネマの葉を乾燥させたハーブティーや、ギムネマから抽出された成分を配合したサプリメントがあります。

腸で糖質の吸収を抑制するためには、ギムネマの配合されたサプリメントなどを食前食前20分ぐらい前に摂取すると効果的です。お茶を飲むとその後に食べる料理の甘みが感じられなくなるので、食事をおいしく食べたい人は食後に飲むとよいでしょう。

また、ギムネマは血糖値をコントロールする作用があるため、糖尿病患者がギムネマを摂取する際には、医師への相談が必要です。

ギムネマの血糖値を下げる効果

ギムネマには血糖値を下げる効果があると期待されています。血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の量を表す数値です。

肥満や運動不足などの生活習慣が原因で、血糖値が正常に保てなくなると糖尿病が引き起こされます。糖尿病が悪化すると全身の血管や神経などに悪影響を及ぼし、合併症や動脈硬化を引き起こしてしまいます。

食事中の糖質が体内に吸収されると、血糖値の急激な上昇を抑えるために、インスリンという血糖値を正常に保つホルモンが必要な量だけ分泌されます。

しかし、糖尿病になると、インスリンの分泌が遅れるため、血液中のブドウ糖が処理されず、食後に血糖値が急激に上昇することがあります。

ギムネマは、小腸での糖の吸収を抑えるという働きがあり、血糖値の上昇を抑える効果があります。また、8人の糖尿病患者にギムネマ葉粉砕物を摂取させた所、8人中2人は血糖値が正常に戻ったという試験結果が報告されています。

ギムネマの肥満を予防する効果

肥満はカロリーの高い食事による摂取エネルギーの増加のほかに、朝食を抜く、夜食を食べるといった不規則な食生活や、運動不足が原因となって引き起こされます。

肥満には、皮下脂肪が厚くなる「皮下脂肪型肥満」と、内臓の周りに脂肪が溜まる「内臓脂肪型肥満」があります。

内臓脂肪型肥満は、一見肥満には見えない体型でも、内臓に脂肪が溜まっている「隠れ肥満」のケースにも当てはまり、生活習慣病にかかりやすくなるといわれています。

肥満になると、コレステロールなどの脂質が血液中に流れ出し、動脈硬化を引き起こします。また、動脈硬化が進むと血液の流れが悪くなり、高血圧につながります。

動脈硬化で細くなった血管には、血栓ができやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気が発生する危険性が高まります。

ギムネマは、摂りすぎた糖を中性脂肪として体に蓄積されにくくする働きがあります。糖を吸収する小腸の受容体[細胞表面や内部に存在している物質。ホルモン・神経伝達物質・ウイルスなどと結合することにより、細胞の機能に影響を与える]にギムネマ酸が先回りして、吸収を抑えることによって、余分な糖を体の外へと排出させることができるため、肥満を予防する効果があります。

ギムネマの便秘を解消する効果

便通は1日1回が理想的とされています。しかし、不規則な生活によって排便の習慣が定着していないことや、食生活の欧米化による食物繊維の摂取量の減少によって、便秘が引き起こされやすくなっています。

また、食事量が少なくなると、便をつくる量が不足して便秘になることがあるため、ダイエットも便秘の大きな原因となります。

便秘になると、おなかの張りや痛みを感じるほか、肌トラブルが発生してしまいます。

ギムネマが糖の吸収を抑えた際に、吸収されなかった未消化物が食物繊維と似た働きをするため、便の量を増やして便秘を改善する効果があります。

ギムネマの虫歯を予防する効果

砂糖の摂りすぎが原因となって発生する虫歯は、最も身近な生活習慣病のひとつといわれています。

虫歯が進行すると、痛みを感じたり歯を失うだけではなく、長期間放置することによって、敗血症[傷やできものなどから細菌が血管に入り、血液の中をめぐることにより起こる病気のこと。高熱が出たり、呼吸困難や意識障害など、重度な症状が引き起こされる]などの病気を引き起こすことがあります。

虫歯は、口の中のストレプトコッカス・ミュータンス菌に由来するグルカンスクラーゼという酵素が、砂糖から歯垢(しこう)[食べかすに虫歯や歯周病を引き起こす口の中の細菌が結合したもので、プラークとも呼ばれる。歯の表面に付着し、長期間経つと石灰化して歯石となり、口臭や歯周病、歯肉炎の原因となる]のもととなるグルカンを合成することによって発生します。

グルカンは食べかすなどを材料にして歯垢をつくり、口の中で細菌が増殖します。そして、歯垢の中で細菌により酸がつくられ、歯の表面にあるエナメル質の内側からカルシウムやリン酸などが溶かし出され、虫歯が進行します。

つまり、虫歯を予防するためには、グルカンの働きを抑えることが重要となります。ギムネマは、虫歯菌によるグルカンの合成を抑え、虫歯の発生を予防する効果があります。


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