知らない間に遺伝子組み換え食品を口にしている?

大豆は自家採種しやすい植物ですが、連作障害を起こしやすいため栽培には工夫が必要で、連作を避けて輪作を行い、次年には違う作物を作付けするのが通常です。しかし、これは考えようによっては、栽培規模拡大の障害ともなるわけで、それが日本での大豆栽培の減少につながっているという見方もできます。

つい100年ほど前まで東アジアでしかつくられず、それも専ら食料として栽培されてきた大豆ですが、近年におよび油糧作物、および飼料作物として世界中で生産されるようになり、今では小麦と並ぶ有数の生産量にまでなっています。

ちなみに、世界一の大豆生産国はアメリカで、次いでブラジル、アルゼンチン、中国、インドと続きます。日本での、大豆の国内自給率はわずか6%前後といわれ、残りの94%は輸入に頼っています。最大の輸入国はアメリカで、日本全体として年間276万トン(2013年実績)もの大豆が各国から輸入されています。

そのアメリカで生産される大豆の90%以上は、遺伝子組み換えです。遺伝子組み換えについては、当のアメリカ環境医学会からも不妊症や老化の進行などの原因になる可能性が指摘されていますが、日本ではそんなことはどこ吹く風とばかりに輸入量が増え、様々な食品に使われています。なかでも食用油の製造には、大豆が多く使われます。大手食品メーカーは遺伝子組み換え大豆を原材料として使っていますが、もちろん法律違反ではありません。

大豆は、遺伝子組み換えの割合が高い品目のひとつで、世界の大豆の栽培面積の80%以上が遺伝子組み換え品種だといわれています。日本では、遺伝子組み換え食品を使用した場合に表示義務がありますが、その対象となるのは、大豆、とうもろこし、馬鈴薯(じゃがいも)、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤの8種類の農産物と、これを原材料とする33種類の加工食品だけです。EU域内では、スーパーマーケットやレストランなどで全品目について表示が義務付けられていることと比較すると、大きな違いがあります。

また日本においては、大豆油を筆頭に、コーン油、菜種油、綿実油、醤油、コーンフレーク、水飴、異性化液糖(高果糖コーンシロップ)、デキストリン、砂糖に関しては、遺伝子組み換えの原材料を使用していたとしても、その表示は不要とされています。つまり遺伝子組み換え大豆を使ってサラダ油を製造したとしても、原材料が遺伝子組み換え大豆だと表示しなくてもいいということなのです。

消費者は知らない間に遺伝子組み換えを食べてしまう可能性がありますが、そのことに誰も言及しません。いや、もしかしたら言及しているメディアもあるのかもしれませんが、大きく報道はされません。マスメディアは、この問題に関してもトランス脂肪酸の問題同様、とても寛容だと感じます。それは大企業がスポンサーを降りたら、メディア自体が成立しなくなるからかもしれません。

企業は定められた法制度の中で収益を上げる自由が許されています。遺伝子組み換え食品が安全だというのなら、堂々と表示すればいいのです。「遺伝子組み換えを食べたくない人は食べなくていい」という正々堂々とした姿勢を見せ、「遺伝子組み換えを認めないと、そのうち食べ物がなくなる」と言えばいいのです。

テレビや新聞においても、「当社は原材料に遺伝子組み換え作物を使っていますが、安全なので食べてください。その証拠に社員も役員も、全員が遺伝子組み換え食品を毎日たくさん食べています」と表明してほしいものです。

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